スポーツカー
トヨタがスポーツカーを作るという。
トヨタ自動車が世界最小級のスポーツカーを開発していることが12日、分かった。6月に就任する豊田章男次期社長の肝いりで、深刻な若者の車離れなどに対応するのが狙い。トヨタブランドとしては10年ぶりの新型スポーツカーで、業績悪化で苦戦する中、新しいファン開拓に攻めの一手を打つ。発売は来年とみられる。(C)毎日新聞
だそうである。
正直、トヨタにはスポーツカーとは対極にあるメーカーというイメージしかない。
トラック専業メーカーに、ちっちゃいバス以外の車を作れるんですかね
というのが正直な感想だ。
実際、やるだけ無駄、どうせつまらなくなる、というのがネット上の大方の反応のようだ。
まぁ今までが今までだけに、仕方の無いところだろう。
でも結構気になるのが、FFだからとか、パワーがないからという意見。確かに趣味のスポーツカーにはプレミアム感・限定感みたいな意味での後輪駆動(今となっては貴重ですし)とか、素晴らしくパワフルで官能的なエンジン(フェラーリなんてその頂点ですね)があれば良いのは理解できる。でもそういう人たちは、そんな力作を高くても買ってあげられるんですか?言うだけはタダだから好きなことを言う。結局マーケットリサーチというのはその程度なのだ。
ベースがiQっていうのは、個人的には悪くないと思う。FFだからダメだとか駆動方式はそれほど大きな問題ではなく、きびきびと思い通りに動けばそれなりに楽しいと思うのだ。あとはちょっと気の利いたカタチさえしてれば・・・。
例えば欧州で少し昔に流行ったホットハッチなどはFFだし、根強いファンがいる初代MINI CooperもFFだ。MarcosなんてMINIをとことん軽量化した痛快な本物のスポーツカーである。当然FFだ。

後輪駆動じゃないとツマラナイなんていうのは、本当に運転が判ってない場合も多いのではないか。FFもFRもMRも、挙動やタイヤの動きに対する神経の前後配分は多少違うものの運転技術としてはそう違うわけでも無いし、やることが違うわけでもない。私はもともとFF乗りなのでFFに対するアレルギーがない(というかタイヤが4つ付いてれば楽しい
)からかも知れないが、車両運動研究のため(嘘
)に全駆動方式のスポーツカーを保有している私が言うのだから間違いない。と思う。多分![]()
iQみたいな車なら前出のMINI Marcosのように軽くコンパクトに作ることも出来るだろうけど、トヨタお得意の「顧客のご要望」ってやつで室内広くて荷物も積めてあれもこれも・・・ってやってるうちに平凡でつまらない車が出来上がるのだと思う。今の国産車メーカーはミニマムの粋っていうのが全然判っていない気がする。
敢えてスポーツカーというものを提言してみると、スポーツカーはパワーとか後輪駆動だから云々というより、如何に心を開放できるか、アタマを真っ白にして全神経を運転に集中させられるかということなんだと思う、きっと。バランスよく思い通りに動くこと、特に高回転までよどみなく回るエンジンがあれば、雑念に邪魔されずに没頭出来るのであり、これこそがFun To Driveのはずだ。そこにはスペックだけの広い室内やシートアレンジなんて必要ない。ミニマムでシンプルで粋ならその分邪念も少ない。軽ければFFだってアンダーに悩まされることもなく、4つのタイヤの動きに集中できるってものだしね。その辺欧州のホットハッチは実に上手かった。英国のライトウエイトも然り。もちろんフェラーリのような豪華さ、伝説、ストーリーまであれば言うこと無いがそれはあくまでスパイスであり、そもそも国産メーカーがマーケティング活動で今更ちょこっと付けられる程度のものじゃないのだ。(突然F1出てみたりとかさー
)
そういうわけでスポーツカーというのはあくまでストイックな方が良い。こういうものは商売っ気を出したら負けで、誰かワガママな遊び人(?)が誰の意見も聞かずに作らなきゃダメだと思うのだ。社内からは猛反対だけどここで妥協するなら俺はやめる、くらいの勢いで作ったものは気迫が違う。マーケット的にもきっと一部のバカが釣られて買うだろうくらいに考えて、それ以上を求めちゃいけない。会議であーだこーだやったらつまらなくなるだけだ。それだけに開発主査のセンスが求められるわけだが、もともとトヨタが始めた主査制度というのは、車が判っててワガママで粋なオヤジが言いたいこと言えるように始めたはずなのだが。。。(その成果がここでも書いたトヨタスポーツ800なのは周知の通り)

過去の伝説(?)のスポーツカーには前述のようにヨタハチを世に出した飛行機屋出身の長谷川龍雄、日産ならスカイラインの産みの親である桜井眞一郎、ロードスターで世界を巻き込むオープンカーブームの火付け役になった貴島孝雄や立花啓毅・・・みたいな人が必ずいるのだ。みんな独自の哲学で「俺が考える良いクルマはこうだ」というのを語り、信念を曲げずにとことんこだわる。そんな「クルマを本当に理解していて(いや愛していて、か?)信念や思想を曲げない強い意思」を持った人がバックにいてこそ一貫したストーリーが生まれるし、心を動かすクルマが作れるんだと思う。
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コメント
拙blogへのトラックバック、コメントありがとうございます。
仰る通りFFでは面白いクルマは出来ないということはないと思います。
ワタシは初代のCR-Xを所有していたことがありますが、実に運転していて楽しいクルマでありました。
また、ある本に載っていたコペンの開発責任者の方のインタビューの中で、コペンをFFに決めた時点でFFの長所である直進安定性等を最大限に活かす、楽しんで貰えるセッティングを目指したとあり、感心させられたこともあります。
CR-Xは勿論、最初のFFセリカ、そしてコペンと、これらのクルマの運転が面白くないということはないと思います。
重要なのはそのレイアウトを活かしてやるかだと思いますので、iQベースのスポーティカーもそのあたりをしっかり押さえてほしいと思っています。
あと、やや異論を唱えるようですが、トヨタには、あまりストイックなものを作らないで欲しいと思ってします。
ワタシもFD3Sなんてのをかれこれ10年以上乗っておりますので、ストイックさのあるクルマの面白さは充分承知しています。
しかしトヨタには、いつでもどこでも付き合える気楽さのあるスポーティカーを期待しています。
その理由は、現在スポーティカー/スポーツカーを取り巻く状況です。世界的に比較的低廉な価格帯のスポーティカーが減っているため、この種のクルマは「経験者」向けに思われているきらいがあります。
国内を見渡してもロードスター、RX-8、Z等、別段特別なクルマではないと思いますが、一見さんには敷居が高く感じるようです。
今度のトヨタの小さなスポーティカーには、その敷居を低くして欲しいと願っています。
そのためには我々のような者から見ると「ヌルく」感じられる方が一見さんを取り込めるでしょうし、トヨタというブランドのイメージからいっても適切なように思われます。
そしてそれが「当たって」他社から追従するものが出てきて選択肢が拡がると面白くなるのではないかと思っています。
#と、ここまで書いてみて、ワタシが求めるiQベースのスポーティカー像って「小さなセリカ」だということに気づきました。
#今考えると、あれはあれでよく出来ていたんですねえ。
投稿: nan | 2009/05/18 00:42
コメント有難うございます。
CR-X!! ホンダはFFスポーツが本当に上手いですよね。
私がいうストイックは、FDのような本気モードではなく、最小限で質素なものという意味でした。簡素で軽くてiQのエンジンに見合うようなストイックさを持った4座スポーツカー・・・結構欲張りカナ。
でも最終セリカ、FFで敬遠する人も多かったですが、痛快に回る2ZZといい、私のST205より一回り小さいボディといい、かなり戦闘力が高かったと思います。何よりあのイタリアンなデザインが良かった・・・あれの小型版なら「おっさんホイホイ」かも知れませんね~☆
投稿: のりっく | 2009/05/18 01:02
私なんて、今の愛車が壊れたら、次は軽トラにしようかと思うぐらい、後輪駆動のマニュアルミッションにこだわってしまうのだが、FFのスポーツなら、コルト ラリーアートがあるよ。
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/version-r/index.html
売れているのか否かは知らないけど。
我が愛車は、アンダーパワーだし、重いしで、ある意味、スポーツカーとは言えないと思う。
けど、頭を真っ白にしなくても、普通に乗っているだけで楽しい車なのだな。
個人的にはそーゆー車が趣味です。
この手の車を作らせたら、昔の某社は良かったな。
普通のCivicですら、fun to driveだったものです。
パワーがあって足回りが固ければスポーツカーだというのはちょっと違うと思うし、サーキットでの速さを追求した今(?)のインテグラRも面白くはないのであった。
そーそー意味で、スポーツカーって難しいと思う。
趣味の世界だから、好きな人が作らないと駄目というのだけは間違いないやね。
投稿: hal | 2009/05/18 20:48